20210331 音楽

20210328の日記でBGMにチャーリー・パーカーを聴きながら書いていると書いた。

BGM。

数年前までボクは音楽が大好きだった。
最近はなぜかそこまで興味が湧かなくなった。
1000枚くらいあったCDを全て処分したせいかも知れない。

いや、違う。

少なくとも処分してから数年は積極的に聴いていた。

左の鼓膜が破れたからだ。

3年くらい前。綿棒で耳掃除をしているときにインターホンが鳴った。
なぜか耳に綿棒を刺したまま応対に出た。謎の行動。
Amazonからの荷物だった。
受け取ろうとしたその腕が勢いよく刺さったままの綿棒に当たってしまった。
耳から出血し玄関にうずくまる。「大丈夫ですか?」と言ってくれる配達員。そんなんええから早く受け取れや。
それ以来左耳の聴力はほぼゼロになり、常にキーンという耳鳴りがしている。

破れた直後、ボクは吐いた。

視力も良く、腰痛も肩こりもこれといったアレルギーもない健康が数少ない自慢だったボクは、ああこれからは左耳が聞こえない生活になってしまったのか、と絶望して吐いた。人は絶望すると吐くというトリビア。

とにかく、それ以来少しずつ興味がなくなっていった。
あんなに好きだった音楽はBGMに成り下がってしまった。

病院に行けばいいのに、と良く言われる。
まあ当たり前。ボクでもそんな人がいたら言う。

でも病院にはなんか行きにくい。

甥が二人いて、その弟の方が生まれつき少し耳が悪く、話しかけても返事をしなかったりする。
その甥に、片方の耳が聞こえなくなったことを告げ、「おそろいやな」と言うと、嬉しそうにちょっと笑った。

抜け駆けするみたいな気持ちになる。

と、甥を言い訳にして本当は病院に行くのが怖くて避けているだけなのかもしれない。

その甥が、このあいだ小学校を卒業した。
世の中がこんな状況なので出席してあげることはできなかったけど。
来て欲しいと言ってくれるのは素直に嬉しい。

叔父に来て欲しいってすごいよね。
自分が小学校を卒業するときに叔父のことなんて考えたこともなかった。
いや、卒業に限らず頭に浮かんでくることなどほぼない。
「悲しいけどおじってそう言うもんやねんから!」

卒業おめでとう。