今月の一冊:『The Americans』

ロバート・フランク『The Americans』二冊目です。

一冊目はカメラを買って写真を撮るようになるはるか以前から持っていた写真集です。 理由は大好きなアメリカの作家で、20年以上前に『路上』を読んで以降の人生最大のヒーロー、ジャック・ケルアックが序文を書いていたから。 この写真集は「写真史を変えた」とか「現代写真のバイブル」とか言われているらしい。後から偉大な写真集だということを知ったときは、なんか誇らしい気持ちになった。
あと、ロバート・フランクは全盛期のローリング・ストーンズの伝説の未公開ドキュメンタリー映画『Cocksucker Blues』を撮ってる。ブートで何枚か買ったな。
序文は当然英語なので結局読んでないけど、せっかく買ったので写真は繰り返し繰り返し見てた。『路上』を読む際の脳内でのイメージはこの写真集と映画『イージーライダー』を参考にしてた。

1958年に出版されて以降、いろんな出版社から装丁を変えながら発売されているらしいです。 一冊目に買ったのはSCALO社から出版されたやつ(黒い方)。 これで別に満足していたけど、現在手に入るバージョンの出版社がSTEIDL社(シュタイデル)から出ているやつ(白い方)。 で、この出版社が作る写真集の素晴らしさに気づいてしまい、モノはできるだけ持ちたくない派としては同じ写真集をもう一冊買うことに抵抗もあったけど、「版ごとにトリミングとかも変わってるらしいし」と自分を納得させて購入。

さすがSTEIDL。モノとしての佇まいが圧倒的にかっこいい。
確かにトリミングやコントラストが印象が変わるくらい大きく違ってる写真もある。

ネットでは探せばこの写真集のすべての写真を見ることができるし、iPhoneにスキャンしたものを入れていつでも見られるようにして、ことあるごとに見返してる。 でもやっぱりモノで見るのは手触りや匂い(STEIDLの写真集は匂いが良い)など、体験としての強さが違う。 写真はプリントしてなんぼだと再確認。

ようやくZINEの写真セレクトが終わりそうです。一年以上かかってる。
あとプリントの販売もしようかなぁ、とか。皆様買ってください。